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遺留分減殺請求の被告事件において、特別受益の主張を排斥した事例

 遺産相続の場面において、亡くなる方が生前に遺言を残していた場合、特定の相続人だけに相続させる内容が書いてあると、なにも受け取ることができなかった人は遺留分を侵害されたとして、法定相続分よりも多く相続をした相続人に対して遺留分減殺請求を行うことができます。

 依頼者のXさんは、長年、被相続人である母と同居して、その介護を行うなどしたほか、被相続人名義の賃貸用不動産の管理等も行っていました。被相続人にはXさんのほかに、Xさんの弟2人がいて、相続人は3人だったのですが、上記のような事情から、被相続人はXさんに資産価値の高い不動産と預貯金の全部を相続させることとし、弟Bさんと弟Cさんには資産価値の低い不動産を相続させる遺言を残しました。

 遺留分を侵害されたBさんが訴訟提起してきたのですが、主な争点となったのは、被相続人が生前生計を同一にしていたXさんへ多額の特別受益(生前贈与)を行っていたとの主張です。Bさんは、被相続人名義の預金の取引履歴を照会して、毎月多額の現金が引き出されており、それがXさんの生活費や遊興費に充てられていると主張して来ました。

 たしかに、預金から毎月引き出されている額はそれなりに高額であったため、裁判所もそのうちの一部はXさんへの特別受益になり得るとの心証を持っていました。これに対し、被告側として引き出されたお金の具体的な使途や、被相続人の生活状況、預金の管理状況等について、関係者に詳細な聞き取りや関係書類の調査を行い、すべて被相続人本人が自身のために使ったお金であるという事を合理的に説明するなどしました。
その結果、Bさんの主張をすべて排斥することに成功し、ほぼこちらの主張に沿った和解を成立させました。

 遺留分減殺請求事件では、特定の相続人が被相続人と関係が深くなっているために、本件のように他の相続人から特別受益や預貯金の使い込みなどが問題となることが多々あります。このような事案についても経験豊富な当事務所へ、ぜひご相談ください。

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